電車でおでかけ 奈良西ノ京の旅 ゆったり半日コース
近鉄西ノ京駅 → 唐招提寺 (徒歩約15分)
近鉄西ノ京駅から徒歩で、唐招提寺へいってきました。
唐招提寺見学のあとは、唐招提寺の近くにあるお食事処大納言でわらび餅と善哉を頂きました。西ノ京の週末日帰り旅行です。
唐招提寺
唐招提寺は遣唐使の求めに応じて、幾度にもわたる苦難を経て来日した鑑真が、6度目の渡航で来日に成功し、759年(天平宝字3年)に朝廷から新田部親王の旧邸跡を譲り受けて寺に改めたもので、南都六宗の一つである律宗の総本山です。
律宗は仏教の戒律の研究と実践を行う一派で、鑑真が日本に伝えました。唐招提寺の元々の名前は、「唐律招提」で、唐の律を学ぶ道場の意味があります。
唐招提寺は唐出身の高僧鑑真が晩年を過ごした寺でもあり、奈良時代に建てられた金堂や講堂を始め、多くの文化財があり、1998年(平成10年)にユネスコより世界遺産に登録されています。
唐招提寺の境内に入るとすぐに、世界遺産古都奈良の文化財「唐招提寺」の石碑がありました。
金堂
唐招提寺の金堂は、奈良時代に作られた寺院の金堂として、現存する唯一の建物です。
金堂の屋根は本瓦葺き寄棟造、軒の出組は和様三手先です。
*寄棟造:屋根の一番高いところにある水平の大棟から四方に吹き降ろす造りです。
唐招提寺金堂のご本尊は、盧舎那仏坐像です。
ご本尊の右側には薬師如来立像、左側には千手観音立像が安置されています。
また、ご本尊盧舎那仏の脇に梵天と帝釈天が、その周りには、持国天・増長天・広目天・多聞天の四天王像が安置されています。
講堂
唐招提寺講堂は、元々平城宮にあった東朝集殿という建物で、当時は切妻造の建物でした。
その後、唐招提寺に移築して講堂として用いられ、鎌倉時代の改造で本瓦葺き入母屋造の現在の姿になったそうです。
*切妻造:本を開いて被せたような屋根の造りです。
*入母屋造:切妻造りの屋根の両側に、袴のような流れをつけたものになります。
鼓楼
鎌倉時代の建築で、一・二階とも連子窓に扉付き、本瓦葺き入母屋造の建物です。
金堂と講堂の間に建てられており、鼓楼という名前ですが建物の中には鑑真大和上が唐から請来した仏舎利が収められています。
通常一階部分は土間になりますが、舎利殿として使用するために床を設けて板張りにし、縁を回しています。
鼓楼の後ろに見える細長い建物は唐招提寺礼堂です。
礼堂
唐招提寺礼堂は鼓楼の東側にある建物で、真ん中に通路があり、南側が礼堂北側が東室になります。
礼堂は隣の鼓楼に安置された仏舎利を礼拝するための建物です。
礼堂の中には、釈迦如来立像と日供舎利塔が安置されています。
日供舎利には日々の礼拝用として、鼓楼に安置されている仏舎利三千粒から分けられた数十粒が収められています。
開山堂
元々は元禄時代に徳川家の御霊殿として建てられたのですが、明治14年に鑑真和上の尊像を安置するために現在の場所に移しました。
つぎに鑑真和上像が、開山堂のすぐ後ろにある御影堂へ移設されたことを機に、覚盛上人・聖武天皇・徳川家康を祀る本願殿となります。
そして平成25年に御影堂の改修工事のため、鑑真和上の御身代わり像が造られ、再び開山堂となっています。
鑑真和上の御身代わり像の制作の様子は唐招提寺のホームページに紹介されています。
宝蔵
経蔵と並んで建てられている唐招提寺宝蔵です。
唐招提寺創建時に建てられた、本瓦葺き寄棟造、高床式の校倉造の建物です。
すぐ隣にある経蔵は、唐招提寺創建よりも前に建てられたもので、東大寺の正倉院よりも古く、日本最古の校倉です。
鑑真和上御廟
唐招提寺を開山した鑑真大和上のお墓がある、鑑真和上御廟です。
御廟を囲む築地塀には補強のために瓦が挟んであります。
御廟の門をくぐると、両側の杉林一面に鮮やかな苔が敷き詰められていました。
手水鉢には牡丹の花が浮かんでいます。
唐招提寺を創建した鑑真和上の墓所です。
鑑真和上が日本に渡るまで5度の渡航に失敗し、その間に視力を失いましたが、6度目にして遂に日本に到着しました。
その時のようすは、東征伝絵巻に描かれています。
苦労の末日本に渡来した鑑真和上は、日本に初めて仏教の正しい戒律を伝えました。
その時、聖武天皇や娘の孝謙天皇が受戒された、東大寺大仏殿前の土壇を現在の戒壇堂の場所に移して伽藍を築いたのが戒壇堂の起こりです。
759年、鑑真和上は朝廷に新田部親王の旧宅跡(今の唐招提寺の土地)を与えられ、鑑真和上の私的な寺として唐招提寺を作ることになります。
その後鑑真和上は、仏教を学ぶ多くの人に戒律を伝え、仏教の研究に打ち込みますが、高齢のため唐招提寺の完成を待たずに亡くなっています。
中興堂
中興堂は、唐招提寺中興の祖と仰がれる覚盛上人を記念して建てられたお堂です。
あるとき、覚盛上人が蚊に刺されるのを見た弟子の一人が、その蚊を叩いて殺そうとしたところ、殺生を嫌い「自分の血を与えるのも菩薩形である」と弟子を戒めたそうです。
覚盛上人の没後、法華寺の尼僧がその人柄をしのんで「せめて蚊を追い払えるように」と、うちわを添えたことが「うちわまき」の由来になったというお話が伝わっています。
鑑真和上御廟から中興堂に続く歩道には桜が咲いていました。
本坊
中興堂の塀に沿って歩いていくと、すぐ隣に唐招提寺本坊があります。
中講堂から本坊に続く塀は、瓦を挟んだ築地塀になっています。
こちらは向かって左側の本坊の門の塀です。
瓦は使われておらず、突き固めた様子もないので普通の土塀になっているようです。
應量坊
應量坊は、中興の祖覚盛によって建てられた住房です。
綺麗な光が差し込んでいて、門の向こう側には木々が色づいていました。
應量坊の近くにある堀の周りには、ツツジの花が咲いています。
お食事処大納言
お参りの後は、近鉄西ノ京駅と唐招提寺の間にある、お食事処大納言さんで休憩です。
土曜日の16時頃、閉店間際におじゃましましたが、快く迎えていただきました。
お陰様で美味しいわらび餅と善哉を頂きました。
お食事処大納言のアクセス
唐招提寺へのアクセス
奈良・西の京・斑鳩回遊ライン
奈良交通バスから「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」が運行されています。路線バスに旧塗装という昔なつかしのカラーリングを施した奈良交通の路線バスです。
東大寺大仏殿・国立博物館バス停から「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」を利用すると、東大寺から唐招提寺まで約26分で移動できます。
JR奈良駅からのアクセス・路線バス
JR奈良駅の6番バス乗り場からは奈良県総合医療センター行きの路線バスも運行されています。
近鉄西ノ京駅からのアクセス
近鉄西ノ京駅から唐招提寺までは、徒歩約15分です。
唐招提寺の拝観時間
唐招提寺 拝観時間:8:30~17:00まで ※入館は16:30まで
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