電車でおでかけ 奈良斑鳩の旅 ゆったり半日コース
JR法隆寺駅 → 西院伽藍 → 東院伽藍 → 和CAFE 布穀菌 (バス約10分+徒歩約23分)
JR法隆寺駅から奈良交通バスに乗って、法隆寺にいってきました。
法隆寺見学のあとは、和CAFE 布穀菌でお昼ごはん。斑鳩の里の週末日帰り旅行です。
法隆寺iセンターから、法輪寺と法起寺をレンタサイクルで巡る、斑鳩の里サイクリングは、法輪寺&法起寺 電車でおでかけ 日帰り奈良斑鳩の旅で紹介しています。
斑鳩町観光協会 法隆寺iセンター
法隆寺
法隆寺の前身となる斑鳩寺は、607年(推古15年)に現在の若草伽藍跡の位置に建立されましたが、日本書紀によると670年に焼失したとされています。また、643年に蘇我入鹿が山背大兄王を攻め滅ぼした際に、斑鳩宮とともに焼き払われたとする説もあり、はっきりとしたことはわかっていません。
斑鳩寺は、用明天皇(推古天皇の同母兄・聖徳太子の父)が自らの病気平癒祈願のために発願したお寺ですが、天皇が崩御したために、斑鳩宮を造営した聖徳太子が亡き父の遺志を継いで、推古天皇とともに完成させたと伝えられています。
現在の法隆寺は、聖徳太子が亡くなった後に太子を忍んだ人々の尽力によって、奈良時代に現在の場所に再建されたものと考えられています。
法隆寺第129世住職の大野玄妙氏のお話によると、法隆寺釈迦三尊像の発願にあたっては「仰ぎて三宝に依り、当に釈像の尺寸王身なるを造るべし」とあり、法隆寺金堂のご本尊は、お釈迦さんの姿をした聖徳太子であり、夢殿のご本尊は観音さんの姿をした聖徳太子とのことです。
1993年(平成5年)、法隆寺は飛鳥時代に建てられた世界最古の木造建築として、日本ではじめて世界文化遺産に登録されました。さまざまな時代の建物や仏像が残っていて、約190件が国宝や重要文化財に指定されています。
南大門
法隆寺の南大門は、東大寺の南大門、日光東照宮の陽明門とともに、日本三大門の1つに数えられています。
聖徳太子伝私記によると、元々は現在の中門の石段あたりにあったそうですが、1031年(長元4年)の境内拡張工事に伴い現在の場所に移転しました。
南大門から中門へ続く法隆寺の参道です。左手の築地塀には上土門が、その奥には唐門が見えます。法隆寺の上土門と唐門は、国の重要文化財に指定されています。
上土門は平安時代以降にあらわれ、絵巻物などに描かれた公家や武家屋敷、寺院建築などの正門に用いられる形式で、平らな屋根の上に蒲鉾型に土を乗せて屋根の勾配を付けたものです。
法隆寺には、江戸時代に作られた檜皮葺のものが現存していますが、元の製法は伝わっていないため復元はできないそうです。
上土門は現在、法隆寺西院と法輪寺西門のみに現存している珍しい形式の門です。
中門
参道を抜けると、正面に見えるのが法隆寺の中門です。法隆寺西院伽藍の入口ですが、残念ながら現在は通り抜けすることはできません。
711年(和銅4年)に造られた日本最古の金剛力士像です。
阿形は全体に赤色の彩色が施され、吽形は全体に黒色の彩色が施されています。
金剛力士像は二体一対で、天上界の守護神とされ、「阿」は口を開いて発する最初の音なので物事の始まりを、「吽」は口を閉じて発する最後の音なので物事の終わりを表します。
西院伽藍
創建当時は斑鳩寺と称し、607年(推古15年)頃に完成した法隆寺ですが、日本書紀によると670年(天智9年)に、法隆寺は一度全ての建物を焼失したと記録されています。
その後間もなく再建が進められ、奈良時代の初めには飛鳥時代の様式で中心伽藍が復興、やがて元の法隆寺よりも大きなお寺として復興されたのが、世界最古の木造建築群として知られている現在の西院伽藍です。
法隆寺西院伽藍にある「中門」「金堂」「五重塔」「回廊」の4つは、現存する最古の木造建築物として飛鳥時代の姿を現在に伝えています。
五重塔
五重塔の5つの屋根は、下から「地・水・火・風・空」となって、仏教的な宇宙観を表しています。その原形はインドのストゥーパー(卒塔婆)といわれ、もともとは仏舎利を祀るためのものです。
サンスクリット語のストゥーパーは中国語で卒塔婆。塔婆や塔はストゥーパーの省略した呼び方で、法隆寺の五重塔の心柱の下にある礎石の上部には「釈迦の遺骨」が納められています。
サンスクリット語のストゥーパーは「高く顕れる」という意味ですので、五重塔は「ここに釈迦の遺骨が納められていますよ!」ということを世間に知らしめるためのものと考えられます。
また五重塔は、全体が心柱で貫かれています。心柱は他の骨組みとつながっていないため、建物の揺れと心柱の揺れが打ち消しあって、地震から塔を守る役割をしています。
大講堂
法隆寺大講堂は、「法隆寺学問」と呼ばれる法要や仏教の経典の注釈が行われる学問の場で、堂内には薬師三尊像と四天王像が安置されています。
法隆寺の回廊の柱は、中央より下の部分が少し膨らんだ形になっています。
優雅な曲線を描く胴張りの柱を見ていると、おおらかな万葉の世界に誘われる気がします。
回廊
法隆寺回廊の連子窓(れんしまど)
この時代の角材は、鋸で製材したものではなく板を割って作ったらしく、よく見ると一つ一つの角材の太さや形はバラバラです。
経蔵から法隆寺大講堂につづく回廊には、桜の花が咲いていました。
法隆寺西院伽藍、東側の鐘楼につながる回廊です。
聖霊院
法隆寺妻室(東室小子房)の屋根の曲線です。
小子房は東室の大房に付属する建物で、僧房は大房と小子房で一組になります。
大坊には法隆寺に住む僧が暮らし、小子房にはその従者が住んでいたとされています。
法隆寺の妻室は小子房として現存する唯一の建物で、歴史的価値の高い建物です。
法隆寺妻室と綱封蔵の間にある馬屋には、聖徳太子の従者・調子丸と愛馬・黒駒の像があります。
綱封蔵
法隆寺の寺宝を保管するための高床式の建物で、双倉(ならびくら)という様式で造られています。
双倉は二つの倉庫を一つの屋根でつないだ建物で、真ん中に一倉分程の広さの空間があります。
この中央の空間に向かって扉を開く形式が本来の双倉の姿です。
現存する双倉は東大寺の正倉院と法隆寺の綱封蔵の二棟ですが、正倉院は中間部分を囲った板倉にしてあるので、三室の倉になっています。
法隆寺の双倉は、奈良時代の建築様式として現存する唯一の資料になります。
塔頭寺院
法隆寺福生院の鬼瓦です。
法隆寺の西院伽藍と東院伽藍の間をつなぐ通路の両側にはいくつかの子院が並んでいます。
その子院の門の屋根に乗っている鬼瓦には、ウサギや桃、蓮の葉や菊の花など、いろいろな種類のものがあり、それらを眺めながら歩くのも楽しみです。
東院伽藍
東院伽藍は、天平11年(739年)かつて聖徳太子の住居であった斑鳩宮の跡地に、太子の菩提を願って建立された夢殿を中心として建てられた建築群で、太子信仰の聖地になっています。
法隆寺西院伽藍の東大門をくぐると東院伽藍があります。
上の写真は法隆寺東院伽藍の「絵殿・舎利殿」の建物で、絵殿には聖徳太子の事跡が描かれた障子絵が納められています。
また舎利殿には、聖徳太子が2歳の春、東を向いて手を合わせ「南無仏」と唱えたところ、手の中から現れたと伝えられる仏舎利が安置されています。
法隆寺東院伽藍の絵殿・舎利殿の屋根瓦には「法隆寺」と書かれています。
法隆寺東院伽藍の絵殿・舎利殿の手すりに付けられた金具には「大和國」の文字と「法隆寺」の文字がありました。
北室院
北室院は法隆寺東院伽藍にある法隆寺の子院です。
ふと建物を見あげると、築地塀の内側に綺麗な桜の花が咲いていました。
奈良 斑鳩の里 法隆寺マップ
旅をおもしろくする観光地図 今八 が作成した奈良 斑鳩の里 法隆寺マップには、奈良 斑鳩の里 法隆寺・法輪寺・法起寺など、聖徳太子ゆかりの斑鳩の里の見どころが、可愛いイラスト付きで紹介されています。
法隆寺iセンターから、法輪寺と法起寺をレンタサイクルで巡る、斑鳩の里サイクリングは、法輪寺&法起寺 電車でおでかけ 日帰り奈良斑鳩の旅で紹介しています。
和CAFE 布穀菌
お昼ご飯は、法隆寺東院の近くにある「和CAFE 布穀菌」でいただきました。
法隆寺門前でバスを降りて、法隆寺南大門の手前の道を東へ向かうと和CAFE 布穀菌があります。
明治時代の司法官北畠治房の元邸宅をリノベーションした趣のある建物で、奈良県産の食材や赤膚焼 (あかはだやき)の陶器、吉野材の家具を使用したこだわりの空間です。
天気の良い日曜日の12時50分頃、人気のお店らしく何組か並ばれていて、待ち時間30分ほどで席に案内していただきました。
注文したメニューは、和CAFE 布穀菌の斑鳩名物「竜田揚げランチ」です。
竜田揚げは紅葉の名所として知られている竜田川に由来するらしく、斑鳩町では2013年から地域のPRとして「竜田揚げ上げ↑プロジェクト」を行っているそうです。
和CAFE 布穀菌のアクセス
法隆寺へのアクセス
奈良・西の京・斑鳩回遊ライン
奈良交通バスから「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」が運行されています。路線バスに旧塗装という昔なつかしのカラーリングを施した奈良交通の路線バスです。
東大寺大仏殿・国立博物館バス停から「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」を利用すると、東大寺から法隆寺まで約70分で移動できます。
JR法隆寺駅からのアクセス
JR法隆寺駅から法隆寺行きのバスに乗って「法隆寺参道」で下車すると法隆寺の参道に到着します。
JR法隆寺駅から法隆寺までは1.6km程の距離があり、途中交通量の多い幹線道路や住宅街を通るとになりますので、バスかタクシーを利用しましょう。
法隆寺の拝観時間
法隆寺 拝観時間:2月22日~11月3日/8:00~17:00まで ※入館は16:30まで
法隆寺 拝観時間:11月4日~2月21日/8:00~16:30まで ※入館は16:00まで
デジタル法隆寺宝物館
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